――本日営業

昨日、何もないのに営業としていたので、訂正。
以下、「ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード」よりファルガイア学園物語。


レベッカ編 1」


………ン。
………ン。
…ィーン。
ディーン。
ああ、ディーン。ごめん。ごめんね。ごめんなさい、ディーン。
貴方に石を投げたのはアタシです。貴方の頭に石をぶつけたのはアタシです。ごめんなさい。
ディーン。ディーン。ディーン……。


ディーン!? 目を覚ましたの、ディーン? 大丈夫? 気がついた? ディーン?
ごめんね、ディーン……。


どうしたの、ディーン? アタシのこと分かる? レベッカよ、レベッカ
ディーン、大丈夫? 


アタシ? そう、レベッカレベッカよ。貴方はディーン。ディーンよ。


覚えてない? そうなんだ……。アタシは貴方の恋人なのよ。


そう、貴方とアタシは恋人。


ほら、見て。貴方の右にはアタシがいるけど、左にも何か見えるでしょ。


そう、貴方の足よ。それに、手もあるでしょ? 見えない? ちょっと、待ってね。ほら、こうすれば見えるわ。足の先、手の先が確認できるでしょ。


ね? 貴方とアタシは恋人なのよ。ほら、手も足も胴体もアタシのものだもの。貴方の顔だってアタシのもの。誰の目にも触れないの。


ねえ、ディーン。ディーン。


眠たくなってきたの? そろそろ眠る? そう、分かったわ。


お休みなさい、ディーン――――



――どーんなーときでーもーあなたはひーとりーじゃないよー♪
ぽちっとな。
うーん、朝かぁ。
おはよう、ディーン。


この前、ディーンに向けて石を投げたことに対して、いろいろ言われているけど、ディーンが悪いんだからっ! 先生とは相変わらずで、新入生にも手を出すんだもんっ!
それに、ちゃんと当たらないようにしているし、ディーンのことだから大丈夫、信頼しているし、もし当たったら当たったで――


「いってぇな、何すんだよっ、レベッカ!」
「ご、ごめん。あ、血が出てる……」
「うわっ! ほんとだ」
「ご、ごめんね、ディーン……」
「さわんなよっ!」
「あっ……」
「あ……」
「…………」
「…………」
「ごめん……」
「うん……」
「ごめんね……」
「いい……」
「うん、ごめん……」
「だから、いいって」
「うん……ごめん」
「いつものことだもんな、俺に暴力振るうのは」
「暴力って……確かにそうだけど」
「まあ、それがレベッカだもんな」
「!? そ、そうよっ、それがアタシなんだからっ!」
「そうそう」
「もう、謝らないからねっ!」
「うんうん」
「……ディーン」
「うん?」
「…………」
「どうした?」
「ごめんね……」
「お、おい、レベッカ!?」
「アタシのこと、嫌いにならないで……」
「き、嫌いになんてならないって」
「ほんとに?」
「ほんと、ほんと」
「じゃあ……」


はっ。はやく、着替えなきゃ!