――本日営業
「カッパドーム外部」。昨日の続き。
朝型にしなければ、ということで今日は徹夜して(というか全然眠れない。ドリエルの意味/由来をつい先日知った)何か書こう。
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これは、侵略である。
侵攻でも親交でもその他のしんこうでもない。
私の名前はruroi。カッパドーム内部静岡支部長を務めている。
最近、カッパドーム内部の運営に問題が生じているようで、以前にも増して不定期な営業となっている。
今日も、午後出勤すると言っていたカッパドーム内部本部長であるnn氏が、もう午後四時だというのに、一向に来る気配、連絡がない。全くもって職務怠慢だ。金を貰っているのに、会議に出席さえしないどこかの議員と同じだ。どうして支持が得られないのか本当に理解していないのだろうか。
いい加減、痺れを切らして、こうして私は今、本部長の家を訪れている。昨日も訪れたばかりの家だ。さすがに、道路の細さは変わらないものの、道は覚えた。
これは、侵略である。
攻略でも寇掠でもない。
「ピーン、ポーン」
インタホンを押す。
「ピーン、ポーン」
再度押す。
「ピーン、ポーン」
…………。
「ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン――」
これは、侵略である。
強行でも穏健でも変わらない。
玄関のノブに手をかけ、回す。
「ガチャ」
鍵のかかっている音ではない。ドアの開いた音だ。ん? 小首をかしげつつも、以前、本部長は、寝て起きて外に出るとき、よく玄関の鍵はかってないことがよくある、と言っていたことを思い出す。そのときも不用心だと思ったものだ。
「お邪魔します。本部長?」
いくつか転がる靴を踏まないように靴を脱いで、定型句を述べながら、本部長の家に入る。冬だというのに、家の中は暖かい空気が占め、乾燥もしていないようだ。一人暮らしの男の家の匂いとはこういうものだろうか。まだ慣れない。それに本の匂いも混ざっていて、場所によってはカビ臭い。紙魚もいるのだろう。
これは、侵略である。
我々の目的は不変で、不確定でも不完全でもない。
とりあえず、いつものようにリビングに入る。一通り見渡すも本部長の姿はない。相変わらず、机の上は乱雑とし、カーテンは閉め切られている。
次に、二つある部屋に移動したが、どちらの部屋にも本部長の姿はなく、こちらも机の上、周りも乱雑とし、カーテンは閉め切られている。
押入れやクローゼットを調べるのは最後にすることにして、トイレと風呂場に向かう。トイレの扉を開けてもやはり誰もいない。続いて、風呂場の扉を開ける。
私は自分の目を疑った。
これは、侵略である。
全ての内部は、外部によって侵略される。
目の前の光景は何も変わらず、結果だけを私に理解させる。冷酷なのか冷徹なのか、私には判然としない。
これは、侵略である。
Omnia quia sunt lumina sunt.
血に塗れた紙を私は手に取った。