――本日営業

SHINEもネタが決められ(というか一つだけ思いつかれた)、書けそう。オリキャラを交えつつ。ネタ、被ってないよな。
「ゼミ少女」はまだ。 ⇒ ↓こちらの続き。





『今日はどうするの? 来る?』
「はい、行きます」
『そう、それなら待ってるわ』
「はい、それでは」
 昼放課にかかってきた電話で放課後の訪問をお願いし通話を終え、食事を再開する。
「誰から?」
「うん、ちょっとね」
「大学の人?」
「そう」
「今日も行くの?」
「そのつもり」
「ふぅん」


 ゼミを体験させてくれた彼女と知り合ったのは、彼女のペットに襲われたためだった。
 学校からの帰宅途中、ふと気づけば普段とは違う道を歩いていて、しばらくの間、自分がどこにいるのか分からなかった。周囲を見回し、交差点の信号や電柱などが近くにないか探し、電柱に書かれている地名は覚えのあるものだったが、やはり景色に見覚えはなく、首を傾げつつ、方角は分かったので、そちらを向いて歩き始めた。
 しばらく行くと、フェンスに囲まれたグラウンドがあり、結構な数の人が各々運動している。奥の方には大きな建物が見え、あ、ここか、とここが大学であること、自分がどの辺りから歩いてきたのかを理解した。そのまま歩き続けていると正門に辿り着いて、横目で見ながらそのまま通り過ぎようとしたとき、僕は襲われた。


「んー! ハイ、パッション!」
「なっ!?」
「んー! んー! んー!」
「ちょ、や、やめ」
「んー?」
「だ、だからぁ」
「んー?」
「!? どこさわ、あひゃ」
「んー?」
「だ、や、だ、め、ひゃ、あは、は」
「んー?」
「あ、ん、ひ、ふ」
「いい加減にしなさい!」
「んー? にゃ、にゃー!?」
「あ、やめ、ひゃ」
「ねえ」
「だ、あは、は」
「ねえ」
「や、め、あ、あ」
「えい」
「ふぇっ!?」
「もう大丈夫よ」
「うわっ!? すみません!」
 思わず謝る僕の目の前には端整な顔立ちの女性が既視感のある物体の首根っこを掴んで立っていた。
「というか、顔が近しゅぎです」
 噛んだ。元々熱くなっていた頬、体中がさらに熱くなる。
「そう? それにしても……んー……」
「どうしました?」
 何とか、平然を装う。内心はどきどきしている。
「うーん、君、君の顔に見覚えがあるような……」
「はぁ……僕は貴女のことは知りませんけど」
「まあ、いいわ。それで君はどうしたの?」
「どうしたのって、貴女の手が掴んでいるものに襲われました」
「ああ、そうだったわね」
「貴女は?」
 少しずれている人なのかな、と思いながら僕も訊いた。掴まれている物体はひとまず置いておく。自分の名乗りが先だっただろうか。
「私? 私は、ゼミを抜け出してきたの」
 予期していた内容とは違うことを答えられたのだけれど、その言葉を聞いたとき、何故か、僕の頭の中のどこかで歯車がカチッとはまったように感じた。