• 『シュルツ全小説』

 イメージやらビジョンを喚起させるには、ということでブルーノ・シュルツ。あるサイトで紹介されていて、ちょうど平凡社ライブラリーで完全版が出たので、購入して放置していたのを読み始める。
 とにかく比喩表現が多用されていて情景を思い浮かべやすい(最初は、放置していた理由としては、分かりにくいやら煩い、と感じたからだと思うのだけれど、今はそんなことはなく、読んでみたら素直に堪能。比喩表現よりも人物の方のが分かりにくいな。いきなり名前が出てくるので。読点も多用されていて、一文が長いけれど、僕は、自分もこのスタイルなので、特に抵抗なく読めた)し、おもしろい。
 ページ数からすれば、普段(ライトノベルやら)の三倍くらい時間をかけて読んだことになる。いつものように前から順番に、「肉桂色の店」まで読了(これが第一短編集のタイトルのよう)。読んだ感想としては、おかされそう。
 こういう作品、国語で扱うと良いかもしれない、と思った。テーマやら表現方法やら言葉やらメッセージ性にしても、まだ途中だけれど、これ一冊で事足りるのでは。