以下、PGどころではないゲーム。どれも、まず物語として秀逸で、音楽も演出もよく、絵も万人受けするだろうし、一般のゲームとして通用する、と思うので、PGどころではないゲームとして、避けるのはもったいない、と思います。そして侵食されるがいいさ。

 こちらも、『本質としての名前』でした。
 内容としては、Fateへのオマージュ、といった感じで、主人公の能力やら魔術やら展開やら二番煎じは否めないけれど(自分はFateやってるから)、十分おもしろかった。というか、「お主人ちゃん」の時点で、平均よりは確実に、勝ち、だと思う。北欧神話なところも絵も好みだし、演出もよかった。
 攻略対象としては、ふたみ、此芽、傘の三人。いくつか勢力があって、それぞれに問題を抱え、それを解決していく形になり、順番に描かれている。だから、そのときそのときの主人公としては他の動きは分からないけれど、プレイヤは繋げられるという形で、ふたみの話がベスト。次点が此芽。この両者は素晴らしかった。伏線も回収も見事で、破綻してないし、上手くリンクしている。傘のルートは、僕は問題ないけれど、こういうのだと受け入れられないとダメだろうし、そういうもの、そういう展開としてはおもしろいけれど、終わりがよく分からなかった(終わり方がよくなかった、というべきか)。
 クリア後に北欧神話の本編のフォローの解説とおまけシナリオがあるけれど、前者はいいとして、後者がもったいなかった。あれ、12人いるんじゃないの、やら、干支だから6人じゃ半分だよね、あ、一人二つだからいいのか、やら、何より愛々々が、あんな、あんな放○プレイまでしておきながら攻略できないなんて、といろいろともったいないな、と思っていたら、PS2で出るようだ。なので、そういうシーンはふたみ以外は必然性が感じられないので、まあ、ふたみもないならないで良いので、PS2版をやった方がよい、と思います。ルートはもちろん、辞書的なものも追加されるようなので。

 こちらも、『本質としての名前』で、脱却も、かな。
 本校組、分校組それぞれ3人攻略でき、どれもボリュームがあり、離島の学園もの、ということで、問題を抱えたお嬢様ばかり、ということで話の内容的にも人生を決めるものなので重く、本校組の方は一話完結型で、分校組の方は、ルートごとで登場人物の印象ががらっと変わり、その点も(2人のライタがそれぞれ担当してるよう)、おもしろかったし、感動した。絵がないサブキャラもキャラがたっていて、魅力的で、楽しめた。ときどき、デフォルメされるのもよかった。
 いやいやもっと軽い話になるよな、と思っていると、裏切られ、そうならないといいな、という展開になっていき、攻略キャラの問題は各々異なるけれど、あくまで主人公自身の問題というか解決というかエンドへの手続きは一つなのに、それをそれぞれのルートで異なるアプローチ(パターン)から(それぞれのキャラが)解決するのは、びびった。ベストなルートは、うーん、甲乙つけがたい。どれも物語としては申し分なかったし、エロで選べば、そりゃ量的にも分校組だし、うーん……。
 サブキャラやら絵があっても攻略できないキャラやらもっとやってほしい。一通り終えると、そのようなキャラが気になって仕方なく、長くなっても、この作品世界を味わいたい。というか、どうしてリーダさんがそれで終わりなんだよ、○Pじゃないのか、3○。もしくは、お嬢様だけでなく私も、となって三角関係の修羅場やら。
 ちょこちょこ引っかかったけれど、「〜や」、というのは流行っているのかしら。

「ぶっ殺すぞ!」

 お、お姉ちゃぁーん! もう、いろんな意味で、お姉ちゃん(笑)。
 この作品は、正直、凄い、と思った。いや、真剣も本気もマジで。これは、エロゲーとかゲームで済まない、キャラ、設定、ストーリィ、音楽、演出、物語のテクニック含めて、作品として素晴らしい、と思う。妖精やら主人公にしか聞こえないやら。ただ、最後の最後がいただけないなぁ。導入からそこまの展開は容赦なく、ぞくぞくするのに、ちょっと拍子抜け。最初の方にBADENDがあるのだから、本筋は一本道なので、ほんと、過程もその場面、というのも素晴らしいのだけれど、だからこそ、と。それぞれのヒロインの問題の解決もいいからなぁ。やり応えがあり、特に灯花のは、最初、余分じゃね、と、蛇足かと思っちゃったくらい。
 順番に攻略していきながら、ラストは同じ展開になるので、どのルートがベストというよりも、一番好きなキャラは、灯花。舌っ足らずなのが何とも。お姉ちゃんの話を聞くと、京子さんはやはり、レディースなのか、いや、子供から伝わって、でも主人公にしか聞こえない、いや昔は……。
 これが一番古い、ということもあり、システム面では上記より劣る。EDのスキップやらタイトルにいつでも戻れるやらディスクレスやら。