――本日営業

ポアソンとパッションって似てるよね」
「そうだね、プ」


以下、適宜、というか、少なくとも、「Lennard-Jones ポテンシャル」はウィキペディアで検索して(もちろんそれ以外でも)、図を目にして下さい。同様に、「ツンデレ」もお願いします。


「Lennard-Jones ポテンシャルにみるツンデレ


 古典力学に則った分子動力学/法。
 始まりは、1957年、剛体球の弾性衝突。
 そして、1964年、質点系への拡張における、希ガスの原子間相互作用に、Lennard-Jones ポテンシャルの利用。
 この粒子/分子/原子間相互作用(以下、粒子間相互作用)に利用される、Lennard-Jones ポテンシャルにも、いまや、市民権を得た――現象としては確認されていたが、明確な言葉で一般化されたと言える――ツンデレがみられる。
 ツンデレには、様々な解釈が存在しているようだが、ここでは、それぞれが、ツンデレ、という言葉の印象、最もイメージしやすいものとして考えてほしい。


 さて、Lennard-Jones ポテンシャルの図を目にされただろうか。横軸が距離、縦軸がポテンシャル/エネルギーの図だ。図から、お互いの距離が遠ければゼロに近づき、近くなるにつれマイナス、最接近するようなときには相互作用のエネルギーは無限大に近づくことが分かる。近づくと斥力、少し、離れると引力が働き、ある程度距離があると働かない。そう、これがツンデレに適用可能なのだ。
 ここでは、単位やら0および無限大でない絶対値的なものは、は気にしないものとする。気にしないものとしてほしい。


 まず、エネルギーの意味は置いておいて、一般的な解釈の場合(ウィキペディアの「定義1」参照)、この図の通りに、お互いが全く知らない、ということはない、身体的にも精神的にもある程度の距離にいるとマイナス方向の力が働く、つまりツン状態になり、あるきっかけにより二人きりになる/なれるほど近づくとプラス方向の力、つまりデレ状態になる。しかもこのギャップは計り知れない。なぜなら無限大だからだ。
 距離の差を、時間の経過によるものとも捉えることで、より分かりやすいのではないだろうか。
 次に、エネルギーの意味を考えると、距離が近づき過ぎると反発することから、デレているのにツンな表現をしてしまう(ウィキペディアの「定義2」参照)、という現象も説明ができる。
 上記の二つ、エネルギーの意味を無視する場合(以下、P1)と無視しない場合(以下、P2)を考えることで、両者を相反するものとしないことで、明確な境界値は求められないもの、図の通りに、ツンデレが表される。


 さらに、ツンデレに類似した表現として、多々あるようだが(ウィキペディアの「ツンデレに類似した表現」参照)、これらのいくつかも、Lennard-Jones ポテンシャルにより説明される。
 例えば、ツンエロのエロ、ツンギレのギレ、ヤンデレは、デレのところで、デレのはずなのに極端な行動を起こすことは、P1においては単に無限大に近づいていること、P2においては無限大に加え反発すること、が当てはまる。


 ツンデレおよびツンデレに類似した表現として、上記以外にもまだまだ多くのものがあり、それらを説明することは可能なのだろうか。答えは、可能、である。
 上記では、Lennard-Jones ポテンシャルを挙げて、説明してきたが、そもそもLennard-Jones ポテンシャルは、何を表していただろうか。それは、粒子間の相互作用におけるエネルギーまた力である。すなわち、粒子間の相互作用というものを考えた場合、ツンデレにも分類があり対象が異なるように、粒子間の相互作用も対象により異なるのだ。
 P2の場合、引力を考慮せず、近づくと反発力が無限大に近づくものは、クーデレに当てはまり、同じく引力を考慮せず、ある距離まで一定の斥力を保つものは、ツンドジ/ドラに当てはまり、後者のグラフにおいて、P1を考慮した場合、素直クール/シュールに当てはまり、その他もそれぞれに相互作用を考えれば当てはまるだろう。


 以上をまとめると、ツンデレは、粒子間相互作用の図のグラフを適宜解釈することで、説明できる。そして、粒子間相互作用というものは、分子やら原子以下まで適用されることから、ツンデレというものは、物質および存在の根源を成すものである、と言える。


 これほどツンデレという言葉に多くの意味があり、解釈が異なるのは、個人個人が異なるように、ツンデレこそが世界を世界たらしめるからである。