――本日営業

OPやED、曲にもやはり惹かれる。


「Light colors/colorless wind 〜瞋恚の炎〜」


「先輩、って十回言って」
「えっ!? どう」
「いいから」
「う、うん。……先輩、先輩、先輩」
「もっと、心を込めて」
「せ、先輩っ、先輩っ、先輩っ」
「勢いを付けただけじゃないの。あなたの先輩への愛はそんなものなの?」
「せんぱい、せんぱい、せんぱい」
「ふざけないで。あなたやっぱり」
「ち、ちがいますっ! 浮気なんて」
「浮気? そんなことは一言も言っていないけど」
「い、今のは言葉の綾で」
「いたたまれないわね。もう分かってるのよ。あなたが、本当は眼鏡そしてショートカット属性だと」
「そ、そんなことはありません」
「そうよね、あなたの属性は、先輩で、黒髪ロングで、お姉さんだもんね」
「そ、そうですっ! 眼鏡にショートカットなんて、横顔に惹かれただけなんですっ! 電車に乗っていて見かけた、眼鏡をかけ、ショートカットでスーツを着たお姉さんの横顔やしぐさが素敵で、思わず、彼女が降りた駅で自分も降りて後をつけて、相対して、連絡先を交換してしまうなんて、そんな積極的なことができるはずのない自分でも、何故かそのときはそうすることができたん……あれ?」
「よーく、わかりました」
「あ、ちがいますっ! 今のは」
「もう結構です。さようなら」
「ま、待って」
「…………」
「待ってくださいっ!」
「…………」
「先輩っ!」
「あなたの前には先輩が何人いますか?」
「何人、って……それは」
「…………」
「先輩しかいませんっ!」
「そう」
「はい」
「…………」
「先輩?」
「……ダメね」
「? 何ですか?」
「いいえ、何もないわ」
「はぁ……」
「……十回、って言ったのに」
「先輩?」
「……いつになったら、名前で呼んでくれるのかしら」
「あのー」
「……まったく」
「先輩?」
「うるさい」
「は!?」
「だまれ」
「え!?」
「死ね」
「そ、それはちょっと」
「この『ピー』、『ピー』、『ピー』」
「な、な」
「さようなら」
「は、へ?」
「…………」
「先輩?」
「…………」
「どうしたんです?」
「…………」
「先輩っ!」
「…………」


オチが思いつかない……、新たな登場人物で引いてもいいし……。どこかで使います。