• 『マドカの科学研 彼女が世界を滅ぼす日』

「この愚かな人間どもめ!」

 帯に大真面目=ストーリー、裏表紙に超コメディ=キャラ、どちらも正しく、勉強になったし、おもしろかった。設定はテンプレっぽく感じたけれど、内容が好きな話だったので、より楽しめた。
 還元主義やら二元論やら複雑系理論やら行動シミュレーションやらデトリタス食性やら超ひも理論やら量子コンピュータやら従属栄養生物やらATPやらシリアスな展開(超展開かも)を、

「ツナ缶って、注意して見ると『ホワイトミート』の表示があるものと『ライトミート』の表示があるもの、大きく二種類に分類できるんです。ホワイトミートは原料が肉質の白いビンチョウマグロ、ライトミートはキハダマグロやカツオ類です。このツナは肉の赤身具合、成長輪のアールがきついことを見ても、小型のカツオでしょう。まあ、カツオもマグロも欧米では一括りにツナと呼びますから」

馬鹿でもなく消極的でもない缶詰マニアな主人公、

「あっ、ああん……素敵ぃ……」
「いやーん、これ最高ーっ」
「予定? この街に来て間もない君が、いったい何を企んでいる……まさか、私に内緒でコンビナートの見学に行くつもりか!? どこだ、素直に吐け。川崎の工業区か! 京葉工業地帯か!!」
「さては、禁断の鹿島臨海工業地帯だなぁ!」

工場(プラント?)萌えかつツンデレ風味な部長、格闘技の天才かつ球技の才能ゼロかつ超ひも理論=女に食わせてもry……な先輩、

「ダメッ! そんな太いの、無理だってば!!」
「いやっ、臭い! お願いだから、そんなモノ顔に近づけないで!!」

電波な同級生、凶悪な面の二人の同級生、性格の変わった学園一の○○○○○な女子高生、そして、
首輪+着ぐるみ/コスプレ少女=最後のはやばいです完璧です、やら(あ、幽霊さん、顧問の先生もか)が勢いだけでなく盛り上げて、おもしろかった。
 キャラ、特に主人公が山本ヤマトさんの絵に見えて仕方なかったけれど、好きだから○。