学園祭の企画も様々に活用されていて、おもしろかった。新鮮味はさすがに薄れてしまったけれど(二転三転するやら着地点やら)、登場人物の視点が差もあり、分かっているからこそいろいろ妄想できるし、今までの主人公側の人間関係は区切りがついて(読み手側が留意するようなことはそれほどないはず)、まだまだ謎な方も(というか、新しい発見が)、と伏線も用意して、閉じて続く、というのはばっちりだと思う。
 大学生の彼女の高校生の彼が、同じタイプの人だ、やら、保険になっているのか、なんて。

 同人誌制作、冬コミ、初詣、と行事に伴い二人の関係も、あざといくらいのお決まりパターンで(合ってるから特に不満もなく、おもしろい)、サービスシーンも交えながら、やや決定的に、進展したものの、まだまだ他のヒロインからのアプローチも余地があるようで、メイドも何人か控えていらっしゃるようで、さて、どうなることやら。

「貴様が今回の依頼者か。自分は少佐だ。こっちの藤島中将の上官にあたる」
「あのう、前から疑問に思ってたんですけど少佐より中将の方がえらいですよね?」
「これだから素人は困る」
 少佐はやれやれと首を振って、バックパックをおろし銃をしまった。
「少佐こそ軍の実質的な最高位だということは世界の常識。『最後の大隊』指揮者を見ろ平気で上官を皆殺しにしていたぞ」
「漫画じゃないですか」
ア・バオア・クー戦の最後でも少佐が少将を射殺していたが誰も罪に問わなかった」
「アニメじゃないですかッ」

 えー、他の方(その通り、ということで)も引用されていましたが、やはり、これは、と思いまして。
 前作もおもしろかったし、今作も、登場人物らの設定等も明らかだから(キャラが肯定されてるから)、さくさくっと進んでいくし、おもしろかったなぁ、ほんと。小ネタも適度にあって、いろいろ勉強になるし、ニート探偵団のメンバの関係も窺えて、妄想できる。

 普通やらないような話をやっていて、そこは新鮮で楽しめるのだけれど、巨大ロボットが出てきたり、ロケットパンチだったり、個人的には熱くなる展開なのだけれど、主人公のスタンスがスタンスだからか、盛り上がりがイマイチ。やはり、今作は前作にもまして家族の絆やらがテーマ、ということで、そういった意味でのスケールは描かず(投げやりな感じで、描かれているけれど)、今後への期待を抱かせるということかな。うん、こういったアプローチもおもしろい。

  • 『天空のアルカミレスⅢ アルカミレスキラー・ガール/Ⅳ カストラの虜囚/Ⅴ 聖婚の日』

 一気に最後まで。非情になるかと思いきや、救われたところもあって、少々拍子抜けした感は否めないけれど、題名の意味も上手いこと繋がって、思っていたより、規模が大きく、飽きない展開で楽しめた。
 最後は、ちょっと引っかかるけれど。

 なるほどなー。殺すようなことはなかったか。おねえさんも何人か。
 少なくとも現状の事件はクリアされ、過去の事件の影響がどこまでクリアできたのやら。

  • 『ぼくと魔女式アポカリプス3 Nightmare Crimson Form』

 きびしいなー。殺すようなことはなかったか。おねえさんも何人か。
 布石やら、外から見てどんな感じなのかやら、次も楽しみだ。けれど、次は新シリーズ、とのこと。

  • 『なつき☆フルスイング!2 真夏の夜のケツバット』

 小ネタもおもしろい。新キャラ登場で、まだまだ裏やら入り乱れそうで、今後も楽しみだ。

 やたら、戦争、戦争、って出てくるので、何のこっちゃ、と思っていたら、13、読んでなかった、ははは。

「せっ、洗濯機が……洗濯機が……っ」

 完洗した(のだけれど)でもなく、乾燥した(多分してない)でもなく、感動した。

 登場人物多いのに、ちゃんと個性やら見せ場やらあって、それぞれの視点で的確な考察やら入り、話の流れも分かりやすいし、おもしろかった。今後も、行事中心に描かれていくのかなぁ、楽しみ。