賞を受賞され、出版された『マテリアルゴースト』を読んで思ったことは、この人はこんなもんじゃない、ということ。
巻を重ねるごとに、構成、話の持っていき方はますます冴え、この4では良い意味でも悪い意味でも本領発揮というか、登場人物も読者も上から下へと振り回し、楽しませてくれる。読みやすさも手伝って、日常の外に非日常があるはずなのに、いつのまにか逆転していたと感じるように、作者の考えた/思ったとおりにいいように操られながら、読んでしまったように思う。
4の終わりも、避けては通れない――主人公の特殊能力を主人公自身に用いたら(適用されたら)どうなるのか――問題の提起ということで、早四冊、物語も大詰め、短編集が4月(シリアス展開もいいけど(人が死にます。というか死んでいます。使い捨てキャラなんていないんです)、やっぱりギャグ、コメディだよね。ということで、楽しみ)、最終巻の5が5月。
4のエピローグの死亡者リストについて、他の作品との関連を考えるのは深読みしすぎだろう……たぶん。
ご本人のブログ(1月21日「四巻のエピローグ」)によると、新作の構想もされているようで、マテゴファンばかりでなくネット小説ファンにも嬉しい要素が多くなりそうとのことで、今後も期待。もちろん長編シリーズの完結編に立ち会えるというのも(笑)